この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
ご相談者様は、過去に交際していた相手から「婚約していたのに一方的に破棄された」として、200万円の損害賠償を請求されるという非常に困惑する事態に直面していました。ご本人としては、「正式な婚約の合意はなく、関係を終わらせたのも一方的ではない」との認識であり、請求内容に強い違和感と不安を抱えてご相談にいらっしゃいました。
解決への流れ
ご相談内容と資料を精査したところ、婚約が成立しているとは到底いえない状況であり、また、交際関係の終了についても相談者側に法律上の非は見当たりませんでした。このため、請求には正当性がないと判断し、当方からは早期解決の意向を示しつつも、強い反論と法的主張を明確に行いました。一方、相手方は訴訟を提起。裁判となりましたが、訴訟の中でも、事実関係を丁寧に整理しながら一貫した主張を行うことで、裁判官から当方に有利な心証が開示されました。最終的に、請求額の1割である20万円を支払う内容で和解が成立。ご相談者様にとって、負担の少ない形での早期解決となりました。
「婚約の有無」や「関係解消の経緯」は、感情的な争いになりやすく、法的な判断と当事者の感覚がずれることも少なくありません。今回のケースでは、ご相談者様に法的な落ち度がないことを前提に、感情論に流されることなく、事実と法的根拠に基づいた冷静な主張を積み重ねることを意識しました。相手方が裁判に持ち込んだことで一時は緊張感もありましたが、裁判所の理解を得ながら、請求額のわずか1割での和解という納得いく結果を導くことができたと思います。恋愛・婚約に関する法的トラブルは誰にでも起こりうるものです。少しでも不安があれば、どうぞお気軽にご相談ください。