この事例の依頼主
80代以上 女性
相談前の状況
市場で並んでいたところ、車に衝突され、肋骨骨折の傷害を負いました。骨折後に痛みが続き、自賠責に後遺障害の申請をしましたが、後遺障害非該当という認定結果でした。夜寝ていても目が覚めるほどの痛みが続いているにもかかわらず、後遺障害非該当なのは納得できないとのことで、当事務所にご相談、ご依頼いただきました。
解決への流れ
当職は、主治医と面談し、お話をお聞きした上で意見書の作成を依頼しました。医師のお話を基に当職が文案を作成し、確認の上で署名捺印していただいて意見書としました。 症状の推移、治療経過を明らかにするカルテを入手しました。その上で、異議申立書を起案し、追加証拠と共に提出しました。医師の意見書、カルテ、胸部CTを提出し、肋骨に変形が見られ肋間神経を圧迫していると考えられること、事故直後から症状固定時まで胸部痛が一貫して存在したこと、神経痛薬であるリリカが著効しており肋間神経痛と考えられること等を丁寧に論じました。その結果、認定が変更され、後遺障害第14級が認定されました。変更された後遺障害の等級を前提として、裁判所基準で損害額を算定し、保険会社との示談交渉に入りました。依頼者は、80代の女性ですが、ご主人と同居しており、家事労働を行う主婦という立場ですので、主婦としての休業損害も計上しました。交渉の結果、当方の請求に近い金額で示談が成立しました。賠償額は、当初の保険会社の提示額の約6倍となりました。
弁護士が代理人となり、医学的証拠を揃え、医学的な根拠を説得的に論じたことで、後遺障害が認定されました。「痛いのに非該当なのはおかしい。」と感情的に訴えるだけでは、認定が変わることはありません。医学的な証拠を補充し立証することが必要となります。依頼者は、理不尽で悔しく悲しい思いでいたところ、胸のつかえがとれたと大変喜んでいただきました。