この事例の依頼主
30代
相談前の状況
女性のスカート内をスマホで盗撮したところを私服警察官に現認され、その場で現行犯逮捕された。その後、釈放されて在宅捜査に切り替わったが、スマホを押収され、その中には100人を超える女性のスカートの中の写真があり、余罪多数で罪が重くならないかを心配してのご相談。
解決への流れ
盗撮や痴漢の場合は、前科前歴がなく、被害者との示談ができなければ、30万円前後の罰金刑に処せられるが通常です。被害者との示談ができれば、罰金額を減額、あるいは不起訴処分の可能性があります。示談だけではなく、職の確保、依存症治療、家族と本人の盗撮の根深さへの理解と再発防止への取り組み体制の構築、被害者心理の理解等の情状弁護を尽くしておく必要があります。被害者が増えて立件される数が増えるほど、罪は重くなります。しかし、盗撮の場合には、写真に被害者の顔が収められていないことが多く、その場合には、被害者の特定が難しいので、余罪立件されないことも多いです。
盗撮や痴漢は、他の性犯罪に比べても、依存性・常習性がより顕著な犯罪類型であると言えます。言葉は悪いですが、やろうと思えば、見つからずに手軽にできてしまうという想いから、多数回繰り返されてしまっているのが通常で、抑止力のハードルが低いからです。ですので、決して軽視することなく、既に依存に陥っていて、またほとぼりが冷めて時間が経過してしまったら繰り返される可能性が高いという危機意識を持ち、依存症になっていないかどうかを適切に見極め、必要があれば、専門医の治療を受けながら、再発予防のための措置を徹底して講じておくことがとても大切です。