この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
公園内で女性に対して卑わいな言動をしたとして、迷惑防止条例違反で勾留決定を受けた依頼者様。勾留決定後2日目に受任しました。
解決への流れ
すでに勾留されておりましたので、警察署の接見室で依頼者様からお話を伺うと、現職の地方議会議員をされているということ、すでに仕事のスケジュールが詰まっており、勾留され続けることで仕事に影響が出ることがわかりました。また、依頼者様と被害者は、事件当日にその公園で初めて会ったものの、連絡先を交換して、電話をしていたことがわかりました。そこで、依頼者様に、裁判官の出した勾留決定に対して準抗告の申立て(不服申立てのこと)を提案し、準備にとりかかりました。準抗告を通すにあたり、「身柄解放されたとしても、依頼者様と被害者が直接連絡をとることはなく、証拠隠滅することはない」ということを、いかに裁判官にわかってもらうのかが鍵だと感じました。そこで、依頼者様との接見後、依頼者様の奥様と連絡をとり、依頼者様の持っている通信機器や奥様の持っている通信機器、ご家族の持っている通信機器等を聞きだし、奥様だけがわかるようにロックナンバーの変更等をお願いし、こういった活動の内容を、依頼者様と奥様の供述録取書等にまとめて、勾留決定4日後に準抗告を申立てました。結果、要旨「依頼者様と被害者との間で連絡を取られることを防ぐ手段が講じられていることなどに照らせば、罪証隠滅のおそれの程度は低下しているもの」と裁判官が判断し、準抗告が認容され、勾留決定4日後に依頼者様は釈放されました。
依頼者様と初回接見をした翌日に、依頼者様のご自宅に伺い、奥様や依頼者様のお父様からお話を聞くなど、慌ただしい数日間でしたが、勾留による依頼者様への仕事の影響を最小限に抑えることができ、良かったと思います。準抗告の決定書に、依頼者様と被害者が連絡を取らないように防止する手段を講じたことが、準抗告認容の理由の1つである旨記載されており、弁護人としての活動を裁判官から評価してもらえたと感じ、達成感を感じた事件でもありました。